月島泉はすでに階下に降りていて、朝倉美咲はそれを見たが、彼女を呼ぶのも面倒だった。
その古い写真をそのまま無視した。
目の端でその古い写真に映る人影を見て、朝倉美咲は足を止めた。
「ママ、切るね」彼女は電話の向こうの人に言って、電話を切り、しゃがんで足元の写真を拾い上げた。
写真には四人の人物が写っていた。
彼女は左から二人目が秋山直子だと分かった。中央には老婦人がいて、左端は先ほど彼女を朝倉先輩と呼んだ女の子で、右端は少し冷たい印象の男子だった。
朝倉美咲はこの写真を手に取り、思わず目を細めた。
学校にいる間に、彼女は当然秋山直子が突然休学したことについての噂を聞いていた。その多くは、秋山直子の祖母が亡くなり、彼女がその打撃に耐えられず休学したというものだった。