千葉第一中学の事故のことは封鎖されていた。
橘声也はこれまで9組の人たちにこのことを話していなかった。試験期間が近づいていたので、彼らはこの件で9組のみんなの気持ちに影響を与えたくなかった。
秋山直子はアメリカ滞在中に9組に多くの自分でまとめた資料を送っていた。9組の団結力は今や以前とは違っていた。
「さあ、みんなここに立っていないで、個室に行って話そう」橘声也は咳払いをして、前に出て話し始めた。
彼は秋山直子の前を歩き、9組の他のメンバーに目配せした。
「そうだね、まず中に入ろう」夏目直子は微笑んで、反応した。彼女は表情を引き締めて、「私と班長で個室を予約したわ、1202と1203よ」
一行は中に入ろうと言いながら、依然としてにぎやかだった。笑顔ではあったが、神崎執事には雰囲気が少し変だと感じられた。