267 二校争奪戦、宴会(一更)

神崎お爺さんが「八雲山」と口にすると、向こう側の言葉が途中で急に止まった。

お互いに相手の声がとても耳慣れていると感じた。

「神崎さん?」向こう側の八雲山も一瞬戸惑った。

二人はお互いに沈黙した。

一秒後、八雲山は素早く口を開いた:「すみません、神崎さん、電話を間違えました。」

両方が電話を切った。

神崎お爺さんは指でテーブルを叩きながら、何か変だと感じた。

さっき二階にいた時、八雲山は今年の高校トップの生徒に連絡すると言っていたのに、次の瞬間には一階の固定電話に電話をかけてきた?

特に八雲山が秋山直子さんについて一言言及したことが気になった。

神崎お爺さんは秋山直子の方向を一瞥した。彼はもちろん知っていた…

あの少女が秋山直子だということを。

一方、東大では。

八雲山は電話を切ると、急いで資料を取り出してめくった。