宮本晴たちは車から降りた。
今日は雲頂ホテルの駐車場がほぼ満車だった。
宮本晴は二人を連れて正面玄関の方向へ歩いた。
秋山言葉は携帯を取り出して確認した。彼女は徳田月光を招待していたが、徳田月光からは返事がなかった。彼女は目を細めて、もう一度見ることはなかった。
今は既に夕方6時だったが、初夏だったので太陽はまだ完全に沈んでおらず、街灯もまだついていなかった。
しかしホテルの正面玄関上部のスクリーンに表示されている文字ははっきりと見えた。
秋山言葉はちらりと見た。ちょうど彼らの個室の祝辞が表示されていた——【秋山言葉さんの高校入試649点の高得点を心よりお祝い申し上げます!】
一目見ただけで、秋山言葉はあまり気にせずに視線を戻した。
森田優子は携帯を取り出して写真を撮り、SNSに投稿してから秋山言葉を見た。「行きましょう」