神崎火が送ったコードと位置情報はとても完璧だった。主に数カ所の位置情報と背景資料を調べるだけだった。秋山直子はアドレスを入力するとすぐに一つの地域を特定した。
この地域は……
国境にある?
少し見覚えがある。
秋山直子はデジタルコードの分野で天賦の才能を持っていた。データベースシステムがどれほど膨大でも、彼女は一目見ただけで大体の類似点を見抜くことができた。
秋山直子はキーボードに置いた手を一瞬止めたが、それでも調査を続けた。
カタカタと、一連のコードを打ち終えると、秋山直子はエンジン上のコードを見て、少し考えてから右手の人差し指を伸ばし、「Enter」キーを押した。
システムデータが複雑に変化し、「0」と「1」の文字列が飛び交い、画面上の数字が明滅しながら流れていった。