317 教做人(一更)

東大と早應大学の四大研究室は、研究院へ至る唯一の道である。

しかし研究室に入るには、幾重もの審査と選抜を通過する必要がある。

基本的には大学院に進学し、博士や教授に指導してもらえる学生だけが入ることができる。

一年生や二年生の学生に関しては……

彼らの中には研究室が何なのかさえ分からない者もいる。

研究院はすでに成熟段階に向かって発展しており、毎年各学校からほんの数人しか選ばれない。具体的な人数は、その年の学生の質によって決まる。

東京の情報は外部に封鎖されており、特に研究院の存在についてはネット上に痕跡が一切なく、四大家族だけがその内情を知っている。

氷川珊瑚は大江薫と親しいため、当然よく知っていた。

さらに研究室に入ることがどれほど難しいかも知っていた。幾重もの選抜、あらゆる制限があり、四大家族の人間でさえ研究院に入るには自分の実力が必要だった。