秋山言葉はぎょっとした。
彼女は学生カードを見下ろし、信じられないという様子でもう一度カードをスキャンした。
二階はやはり点灯しなかった……
ある可能性が頭をよぎり、秋山言葉の手からカードが「パン」という音を立てて床に落ちた。
彼女はしゃがんでカードを拾い上げ、エレベーターを出て101教室に入り、携帯を取り出してバイオリン協会の公式サイトにログインした。
バイオリン協会内では協会のネットワークを使って公式サイトにログインできる。
秋山言葉は自分の名前を入力し、パスワードを入力してログインボタンを押すと、画面にすぐに一行の文字が表示された——
【このアカウント名は存在しません!】
存在しない?
どうして存在しないなんてことがあるの?!
秋山言葉は狂ったようになった。彼女はこの騒動が収まれば再び復帰できると思っていたのに、バイオリン協会が突然彼女の名前を削除するなんて?!