330秋山直哉の姉の情報（二更）

渡辺親分はまだのんびりとお茶を飲んでいるかもしれない。

タイピングが少し遅く、送信も遅い。

後で助手に大物をもてなすように言った。

助手はスマホを持ったまま、まだ我に返っていなかった。彼も大多数の人と同様、綾辻栞のファンだった。

綾辻栞の成功の歴史について彼は詳しく知っていた。綾辻栞のデビューから現在まで、彼の最初のシングルがネット上で偶然ヒットしたことが始まりだった。

そしてスカウトに見出されオーディション番組に参加し、デビューから今まで、一つの名前が常に彼と結びついていた——

業界公認の天才アレンジャー江戸川峰。

綾辻栞のファンでさえこの江戸川峰について調べていた。無数の音楽関係者が綾辻栞の周りのスタッフに接触しようとし、綾辻栞から引き抜こうとしていた。

パパラッチチームが綾辻栞を3ヶ月間連続で追跡し、彼の周りの人々を全て調査したが、江戸川峰という人物は見つからなかった。