道中の花に悩まされ

　秋山直子。田舎育ちで、1年間の行方不明者になり、休学を経て千葉県の名門高校に編入したばかりの、どこか影のある少女。
実母に引き取られた先の新しい家族は、名家の継父、天才と名高い義兄、成績優秀な義妹と、きらびやかな面々。「あの子達の顔に泥を塗らないで」――実母の言葉が、直子の肩に重くのしかかる。

そんな彼女の婚約者は、神崎深一。気だるげな雰囲気とは裏腹に、東京の経済界にも影響力を持つ大富豪の御曹司だ。
彼は周囲にこう紹介する。「俺の直子は、田舎者で世間知らずなんだ。経済のことも疎いし、ちょっと気難しいけど……まぁ、みんなよろしく頼むよ」
だが、それは彼なりの優しさなのか、それとも――？

ある日、深一が追っていた某大物の調査の過程で、彼の有能な部下が偶然衝撃的な事実を発見してしまう。それは、深一が「何も知らない」と言っていたはずの直子の、信じられないような「隠された一面」だった。
（……え、奥様、一体何者なんですか！？）部下は驚愕のあまり、思考が停止する。

これは、お互いの「とんでもない素性」を隠し合うカップルの物語。彼らが秘密を打ち明ける時、何が変わるのでしょう？



二人の隠しこと

彼女は手の速さを頼りに、無表情でバツをクリックした。


【あなたの友達OSTの杉森真琴がランクマッチに招待しています】


二人のスーパーレベルのeスポーツ選手がオンラインで手の速さを競い合う中、周りの人々はまだ最上級二十星の衝撃から立ち直れないまま、神業のような手の速さに魅了されていた。


ゲームにあまり興味のない秋山蓮は、自分の姪が不機嫌そうに友達リストを開くのをはっきりと見ていた。


杉森真琴の名前を見つけると、すぐにブロックした。


友達リストはすべてオンライン状態で、九州ゲームの友達はランク順に並んでいた。


みんなは彼女の友達が上から下へと並んでいるのを見ることができた。


OST、杉森真琴（最上級二十星）


OST、三雲明（最上級十一星）


360神様直子さん！（二更）