東京に来てからずっと、二人は入学式の時に秋山勇に会っただけで、彼を避けていた。
今、秋山言葉の言葉を聞いて。
宮本晴は本能的に「ありえない」と反応した。
「見間違えたんじゃない?そんなはずないわ」彼女は無意識に、テーブルの上にあったカップを手に取ったが、その手が震えているのが見て取れた。
秋山言葉は慎重な性格で、それでもこんなに確信を持って彼女にこのことを話すなら、この件は90%以上真実だろう。
二人は外のイスに座り、しばらくの間黙って考え込んでいた。
沈黙のまま食事を終え、秋山言葉も急いで学校に戻ろうとはせず、ただ携帯を手に取って自分の部屋に戻り、ドアを閉めた。
深井美玲が送ってきたリンクをまだ聴いていなかったことを思い出し、秋山言葉はイヤホンを耳にしっかりと装着し、相手が送ってきた音楽をゆっくりと聴き始めた。