翌日。
金曜日、秋山直子は授業を終え、物理学部の実験室に行こうと思っていた。
再び携帯を取り出してSNSアカウントを確認したが、望月教授はまだ承認していなかった。
昼、東大食堂の3階。
東大の食堂の中でここが一番高く、普段はそれほど混んでいない。
秋山直子は一人分の食事を取り、隅の席に座った。
「後輩ちゃん」本田拓海は人混みの中から鋭い目で秋山直子を見つけ、トレイを持って彼女の向かいに座った。
秋山直子は箸を持ち顔を上げ、本田拓海を見て礼儀正しく挨拶した、表情は穏やか:「先輩」
彼が相馬律の友人だったので、秋山直子も彼に対して少し忍耐強くなっていた。
「やっぱり君は相馬律の妹だね。あいつはSランクの実験をやったけど、君はすごいよ。Sランクの実験だけでなく、EからAランクまでの実験もやってのけた」本田拓海は角煮を一切れ食べながら言った。この数日間、東大の上級生たちの間では秋山直子のこの大胆な行動が話題になっていた。