435 小師妹の学術誌の返信;彼女が逃げるのが怖い(一更)

「後輩?」葉山先輩はついに我慢できなくなった。

彼は立ち上がり、冷たい目つきで柴田祐希を見た。

「柴田先輩、この研究結論について、私はいくつか見当がついています」秋山直子は手元の記録表を見ながら、相変わらず落ち着いた様子で言った。

柴田祐希は深く息を吸い込んだ。「あなたは実験室に来たばかりだから、そんなにプレッシャーもないし、何か間違えても大丈夫よ。私と葉山先輩は何年も頑張ってきたの。あなたとままごと遊びをしている暇はないわ。望月教授があなたにこの件を任せたのなら、さっさと研究結論を書きなさい」

この研究の感想は前回地下原子炉に行った時、望月教授が彼らに書かせたものだった。彼らにとって無駄な努力だとわかっていながら、今回はわざわざ秋山直子に担当させるとはどういう意味だろう?