477 叔父の孫娘(二更)

これはどういう状況?

木村さんは一瞬固まった。

彼がまだ状況を把握しきれないうちに、脇に停車していた車から一人の男が降りてきた。

その身には血なまぐさい気配が漂っていた。

藤田均とマシューには特に交流はなく、マシューのことは知っていたが、この男が誰なのかは分からなかった。ただ、ここでマシューの勢力の旗を掲げる者は、間違いなくマシューの配下だろう。

秋山直子はちらりと見て、この男がマシューの部下だと認識した。

彼女は思わずコートのフードを被り、顔の大半を隠すと、秋山勇の背後に二歩下がった。秋山勇は背が高く体格がよかったので、彼女の姿を隠すことができた。

「旦那様、これは...」木村さんも車から降りてきて、藤田均を見ながら、やや躊躇いがちに言った。

藤田均は車から降りてきた男を見て、鋭い目を細めた。