神崎金が話し終えると、神崎深一は声を出さず、依然として門の外の方向を見ていた。
しばらくして、彼はようやく神崎金の方を向き、淡々とした声で言った。「彼は私に会いたいと?」
書斎は静かで、外からも何の音もしなかった。神崎深一のこの言葉は少し皮肉めいて聞こえた。
「明日、本社で」神崎金は目を伏せた。
神崎深一は少し笑い、神崎金を一瞥した。その視線はとても冷静で、結局何も言わず、ただ気軽に「わかった」と言った。
そう言うと彼はすぐにドアを開け、秋山直子の方へ歩いていった。
神崎金はまだその場に立ち、神崎深一の背中を見つめながら、思わず唇を引き締めた。
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神崎木のコレクションルーム。
秋山直子はまだ錆びた鍵を調べていた。
これは田中静が彼女に残したもので、力ずくで開けたくはなかったが、田中静は鍵を残していなかった。