鈴木音夢は楽しげに浴室から出てきた。少なくともこの二日間は、このろくでなしが彼女に何もしないだろう。
「薬は塗ったか?」卓田越彦の冷たい声が聞こえてきて、鈴木音夢の心は慌ただしくなった。
「塗りました。もう私をいじめないでください。」
彼女は彼を見るだけで怖かった、特に部屋の中では。
卓田越彦の口元に邪悪な笑みが浮かんだ。「これは甘えているのか?安心しろ、この二日間はお前を求めない。朝晩一回ずつ塗るのを忘れるなよ。」
「はい...」二日間休ませてくれるなら、それはそれでいい。
甘えるなんて、ふざけるな!
そのとき、もう食事の時間になっていた。林執事は勝手に卓田越彦の部屋に入る勇気がなく、ドア越しに食堂で食事をするかどうか尋ねた。
朝は卓田正修が来るということで、鈴木音夢は怖くて朝食を食べる気分ではなかった。