第032章 小叔叔、もう怖くて無理です8

彼が揉むのはいいけど、その動きがこんなにエロティックである必要はあるの?しかも、彼は自分を引き寄せて、ぴったりと体に密着させている。

鈴木音夢はとても慌てていた。彼の手が揉んでいるうちに、また落ち着きがなくなるのではないかと恐れていた。

もし昨夜、生理が来たと嘘をついたことがバレたら、彼は間違いなく彼女の皮を剥ぐだろう。

鈴木音夢は急いで彼の手を握りしめた。「大丈夫よ、もう痛くないから、あなたは大局を見て、リハビリに専念した方がいいわ」

卓田越彦は手を引っ込めて、諦めるしかなかった。このまま揉み続けたら火がついてしまい、苦しむのは自分だ。

午前中ずっと、鈴木音夢はリハビリ室で気が気ではなく、谷口先生と林執事もずっとドアの外で待機していた。

1時間以上経って、卓田越彦は汗だくになり、音夢は彼の汗を拭きながら諭した。「少し休憩しない?」

卓田越彦はゆっくりと慣れてきて、少しずつ力が戻ってきていた。「ああ」

この大仏様がようやく休憩することに同意し、音夢はインターホンを取って、すぐに使用人に食べ物と飲み物を運ばせた。

谷口先生も入ってきて彼を診察した。「坊ちゃん、かなり良くなっていますが、焦りは禁物です。午前と午後、それぞれ1時間のリハビリを続けるだけで十分です」

音夢はリンゴジュースを彼に差し出した。「谷口先生の言う通りよ、医師の言うことを聞かなきゃ」

「黙れ、余計なお世話だ」

卓田越彦が怒鳴ると、音夢はすぐに口を閉じた。この悪魔、もう少し気性を良くすることはできないのだろうか?

休憩後、卓田越彦はこれ以上無理をせず、鈴木音夢に支えられてリハビリ室を出た。

彼のそばにいる時間が長くなるにつれ、鈴木音夢は徐々に気づいた。卓田越彦という悪魔は気性が荒いが、その意志の強さは並外れている。

わずか数日で、彼はもう杖を捨て、まだ少し足を引きずりながらも歩けるようになっていた。

谷口先生も、坊ちゃんの回復は驚異的だと言っていた。

鈴木音夢は通常、朝に彼に新聞を読み聞かせ、リハビリに付き添い、夜にはマッサージをしていた。

今はすでに一週間後の夜10時、音夢はアメリカの新聞を手に、彼に読み聞かせていた。

幸い自分の英語力はまあまあで、一般的な新聞なら理解できる程度だった。

それに鈴木音夢は大学受験の時、外国語学部を志望していた。