彼は密かに息を飲んだ。思いもよらなかったが、老人が持ってきた厄除けの小さな贈り物が、彼の好みにぴったり合っていた。
「もう泣かないで、叔父さんは本当に大丈夫だよ。君が泣くと、叔父さんの頭が痛くなるんだ」
鈴木音夢は彼の言葉を聞いて、涙を拭った。「じゃあ泣きません。叔父さん、お風呂に入るの手伝いましょうか」
音夢は本来彼を支えようとしたのだが、立ち上がった途端、足がふらつき、また彼の胸に倒れ込んでしまった。
「チビ、どうしたんだ?」
恥ずかしい、音夢はもごもごと言い、しばらくしてから「叔父さん、私...私の足がちょっと震えて...」
卓田越彦は口角を上げ、彼女の腰を抱きながら、一気に床から立ち上がった。
「小悪魔め、これからはしっかり鍛えないとな。この体力じゃダメだぞ、すぐに足が震えるなんて」