第157章 君が噛んだ歯形9

卓田越彦は大股で部屋を出て、馬場嘉哉がすぐ後に続いた。

まだ時間が早かったので、二人はホテルのレストランで朝食を取ることにした。

結局、飛行機の中で十数時間過ごさなければならないし、機内食も美味しくないからだ。

馬場嘉哉はいつものように、今日の新聞を取りに行った。

お坊ちゃまが朝に新聞を読む習慣は、もう何年も続いていた。

卓田越彦は手に取ると、まずは今日のトップニュースを見て、それから経済面と軍事面をめくり、時事を把握するのが常だった。

彼がページをめくっていると、偶然エンターテイメント面に目が留まり、ある写真が彼の視線を引きつけた。

彼は眉をひそめ、見出しを読んだ:「卓田家のお坊ちゃまと謎の女性がホテルで24時間の情熱」

続いて、メディアは諌山雪乃の素性を暴露し、「金の童子と玉の娘、めでたい結婚が近い」と見出しをつけていた。