永崎国際空港で、鈴木世介はすでに到着していた。彼は国際線の出口で待っていた。
飛行機がまだ着陸していないことを知りながらも、彼は何度も出口と到着時刻の表示板を見ていた。
姉が出てきたときに見逃さないように、特別に大きな看板も用意していた。
姉が出てくれば、すぐに目に入るはずだ。
姉は電話で、子供を連れて帰ると言っていた。電話代が高いからと詳しくは話さなかったが。
どんな子供であれ、姉の子供なら彼の子供も同然だ。
この大切な姪をダーリンのように可愛がるつもりだった。
小さい頃は姉が彼を守ってくれた。今度は彼が姉と姉の子供を守る番だ。
飛行機は30分以上遅れたが、鈴木世介は飛行機が無事に到着したことを確認すると、興奮し始めた。
機内で、熱さましシートを貼り、薬を飲んだおかげで、杏子の熱はようやく下がっていた。