第159章 あなたが残した歯形11

永崎国際空港で、鈴木世介はすでに到着していた。彼は国際線の出口で待っていた。

飛行機がまだ着陸していないことを知りながらも、彼は何度も出口と到着時刻の表示板を見ていた。

姉が出てきたときに見逃さないように、特別に大きな看板も用意していた。

姉が出てくれば、すぐに目に入るはずだ。

姉は電話で、子供を連れて帰ると言っていた。電話代が高いからと詳しくは話さなかったが。

どんな子供であれ、姉の子供なら彼の子供も同然だ。

この大切な姪をダーリンのように可愛がるつもりだった。

小さい頃は姉が彼を守ってくれた。今度は彼が姉と姉の子供を守る番だ。

飛行機は30分以上遅れたが、鈴木世介は飛行機が無事に到着したことを確認すると、興奮し始めた。

機内で、熱さましシートを貼り、薬を飲んだおかげで、杏子の熱はようやく下がっていた。