第278章 言い争いになったら彼女にキスする22

鈴木音夢は彼の声を聞いていた。低くて魅力的で、耳まで酔ってしまうような感じだった。

彼女は軽く鼻を鳴らした。「もう、腹立つわ。あなたが私を信じないなんて。叔父さん、いきなり人を殴るなんて、怖いわよ」

そう言うと、鈴木音夢は思わず小さなピンク色の拳を振り上げ、彼の胸に当てて鬱憤を晴らした。

卓田越彦はすぐに彼女を抱きしめて宥めた。「これからは怖い顔しないよ。でも君も僕に対して拗ねないでね。チビ、知ってるか？今まで誰も僕に赤ワインをかけたり、平手打ちしたりする勇気なんてなかったんだぞ」

「わ...私はその時怒ってたの。あなたが葉山桐子を車に乗せて私を怒らせたから。あなたが彼女にキスしたと思って、それから私にもキスするなんて、もちろん気持ち悪いと思うわよ」

そうでなければ、もし極度に怒っていなかったら、閻魔大王が勇気を貸してくれても、彼女にはそんな勇気はなかっただろう。

「じゃあ、今は帳消しにして、仲直りしよう、いいかな？」

この世界で、彼女だけが、彼にこのような忍耐力を持って彼女を宥めさせることができた。

「これからは他の女の人とくっつかないでね。わざと女の人を連れてきて私を怒らせたら、無視するからね」

「チビ、君だって知ってるだろう。僕は潔癖症だ。君以外の女性と一緒にいるわけないだろう？君も約束してくれ。これからは古田静雄とも距離を保つこと。もし彼が君を好きになったらどうする？君はもう僕のものだから、他の男に希望を与えてはいけない」

「わかった。古田さんはいい人よ」

海外にいた時、彼は彼女に対して兄のように接し、一度も越えるべき一線を越えることはなかった。

卓田越彦はようやく安心して、ゆっくりと彼女のボタンを外し始めた。「ダーリン、この服で寝るのはやめよう。君は快適じゃないだろう」

鈴木音夢もパジャマを着ないで寝るのは、そんなに快適ではないと感じていた。

そこで、彼女は彼に身体の服を全部脱がせることを許した。

ただ、脱ぎ終わった後、しばらく動きがなかった。

鈴木音夢は不思議に思って彼の手を軽く押した。「わ...私、パジャマを取りに行くわ」

「着なくていい。このまま抱き合って寝よう。いい香り...」

言い終わると、坊ちゃまも自分の服を脱ぎ、下着一枚だけになった。