卓田越彦は鈴木音夢が眠りについた後も心配で、院長室へ向かった。
卓田風太は電話中だったが、彼が入ってくるのを見て驚き、急いで電話を切った。
「兄さん、義姉さんに何かあったの?」
「いや、彼女は今寝たところだ。風太、彼女の頭に問題はないだろうか?」
「あなたたちのことを覚えているなら、大きな影響はないでしょう。彼女の状態が良くなったら、詳しい検査をします。安心してください。」
「竜川の状態はどうだ?」
「竜川さんは義姉さんより重傷です。いつ目覚めるかはまだ分かりません。」
今回救出された人々のほとんどが重傷で、死亡者も少なくなく、非常に深刻な損失だった。
「うん、今回の撮影クルーの負傷者全員の費用は、我々の病院が負担する。」
これは天災による事故だったが、このような事態が発生した時、卓田越彦は家族の気持ちをよく理解できた。