鈴木音夢は胸を押さえながら、軽く咳き込んだ。その声を聞いて、卓田越彦の心は砕け散りそうになった。
彼は自分を恨んだ。さっきなぜ我慢できなかったのか?
「ダーリン、医師を呼んでくる...」
鈴木音夢は彼が医師を呼ぼうとするのを聞いて、急いで彼を引き留めた。「ゴホッ...い、いらない、すぐ良くなるから」
卓田越彦は彼女の背中を軽くたたきながら、呼吸を整えるのを手伝った。
しばらくして、鈴木音夢の呼吸はようやく落ち着いた。
彼女は心配そうな卓田越彦の顔を見て、思わず彼の頬に軽くキスをした。「あなたのせいじゃないわ、私...私がさっき一瞬呼吸するのを忘れてただけ」
言い終わると、少し恥ずかしくなって、思わず俯いてしまい、彼の顔を見る勇気もなかった。
今でもキスの時に息継ぎができないなんて、きっと彼に笑われるに違いない。