第417章 小叔叔は自制してください12

卓田越彦は体を翻して寝台に上がり、彼女の手を握った。「よし、物語を聞かせてあげよう。どんな話をしようかな?」

普段杏子を寝かしつけるために使っていた物語は、彼女はすでに全部知っていた。

彼は彼女に特別な話をしたかった。シンデレラや白雪姫の話をするわけにはいかないだろう?

そこで、卓田様は頭の中で外国の物語を探し出し、特別にアレンジした。

結果として、鈴木音夢は聞けば聞くほど目が冴えてきて、卓田越彦が30分以上話しても、彼女はまだ眠らなかった。

逆に、彼女は好奇心旺盛な子供のように、たくさんの質問をした。

いくつかのプロットは、卓田様が適当に作り上げたものだったので、そんなに多くの「なぜ」があるはずがない。

最後に、卓田様は時間がほぼ11時になっているのを見て、横になり、自然と彼女を抱きしめた。

「もういいよ、残りの部分は明日教えてあげる。今は、言うことを聞いて、寝る時間だよ。」

鈴木音夢は唇を噛んで、彼の腕の上で幸せそうに頭を乗せた。「おじさま、今とても幸せです。」

彼がいれば、過去にどれだけ苦難を経験しても、すべては価値があるものだった。

彼女がそう言うのを聞いて、卓田越彦も幸せを感じた。

彼は彼女の額に軽くキスをした。「チビ、おやすみ。」

病室はすぐに静かになり、ゆっくりとした呼吸音だけが残った。

ベッドの上の二人は固く抱き合い、嵐の後、彼らの間の感情はより深まったようだった。

翌日の午前中、卓田風太と谷口英樹が自ら鈴木音夢の検査を再度行った。

結果は良好で、午後には退院して自宅で静養できることになった。

卓田越彦と鈴木音夢は思わずほっとした。鈴木音夢は病院を離れられることに安堵し、卓田越彦はチビの体調がついに良くなったことに安心した。

卓田家に戻ったのは、だいたい4時頃だった。

鈴木音夢は豪華なロールスロイスに座り、門をくぐると、卓田家全体が喜びに満ちているように見えた。

林柳美は習慣通り、門の前に火盤を置いていた。これは厄除けの意味があった。

卓田礼奈と鈴木世介は病院に迎えに行かず、家で準備をしていた。

鈴木音夢が回復して帰ってくることは、卓田家にとって最大の喜びだった。

鈴木音夢はまず階段を上がり、主寝室に戻ると、中の物が全て新しいものに変わっているのを見た。