安藤凪は目をぱちくりさせながら福井斗真を見つめた。「あなた、ちょっと何か問題あるんじゃない?」
「……」
福井斗真の表情が冷たくなった。この小狐はなんて恩知らずなんだ。恩人にこんな風に話すものか?
「じゃなきゃ、なんでこんな余計なことするの?最初は彼女の邪魔をして、それから株を私に返すなんて」
安藤凪は真剣に考えてみたが、福井斗真の頭の中で何が起きているのか理解できなかった。
まさか鈴木湊に嫉妬しているわけじゃないよね?
そうだとしたら、福井斗真に問題があるんじゃなくて、自分が狂ってるってことになる!
「まあいいや」安藤凪は数秒考えた後、思考を放棄した。「とにかくありがとう。あなたの助けがなければ、この株は手に入れられなかった。安心して、約束したことは必ず守るから」