第39章 お父さん、一つ一つ読み上げましょうか?

会議室は静まり返っていた。安藤国彦は何か言おうとしたが、最終的には発言権を安藤羽音に譲った。彼はこの出来の悪い娘に最後のチャンスを与えることにした。

安藤国彦はもう本当に手の打ちようがなかった。

ここ数日、安藤凪に電話をかけ続けたが、彼女は一度も出なかった。安藤国彦は家で焦りながら歩き回っても何の解決にもならなかった。

もし全株主が揃って安藤凪の権力掌握に反対するなら……

安藤国彦の目に鋭い光が走った。

株主たちはまず2秒ほど沈黙し、その後、年配の株主の一人がため息をついて口を開いた。

「羽音さんの言いたいことはわかります。私たちも赤ん坊に権力を握らせたくはありません。しかし、私たちにはそれを阻止する方法がないのです。結局、安藤凪は35パーセントの株式を持っているのですから。」

「安藤社長、どうして会社の株式を売ってしまったのですか?しかも一度に35パーセントも。元々あなたは65パーセント持っていて、絶対的な権力を握れたのに、今は…はぁ…」

安藤国彦はこれを聞いて血を吐きそうになった。この老狐たち!

かつて会社の資金繰りが苦しくなった時、彼らに出資を求めると、一人一人が彼の前で貧乏話をして泣き言を言い、会社が倒産しそうだと知ると、こっそり連絡を取り合って安藤家がまだ存続しているうちに株式を売り払おうとしていた!

今や会社の危機は去り、自分が彼らから株式を買い戻そうとすると、一人一人が守銭奴のように!誰も応じようとせず、今になって自分を責めるとは!

もし彼が株式を売らなければ、どうやって安藤凪というあの忌まわしい娘から3000万を手に入れ、安藤家を守れただろうか?

安藤凪に20パーセントの株式を売ったことを後悔していないとは言えないが、最も後悔しているのは、広瀬慧美の提案を聞いて、安藤羽音というこの愚か者に15パーセントの株式を与えたことだ。そうでなければ、今こんなに窮地に立たされることもなかっただろう!

安藤国彦はそこまで考えると、怒りに満ちた目で安藤羽音を睨みつけた。

「投票の時には誰も安藤凪に投票しなければいいんです!彼女が株主だとしても無駄になります!」

安藤羽音は頭皮がぞわぞわし、慌てて口を開いた。

数人の株主が安藤羽音の非現実的な幻想を打ち砕いた。