会議室は静まり返っていた。安藤国彦は何か言おうとしたが、最終的には発言権を安藤羽音に譲った。彼はこの出来の悪い娘に最後のチャンスを与えることにした。
安藤国彦はもう本当に手の打ちようがなかった。
ここ数日、安藤凪に電話をかけ続けたが、彼女は一度も出なかった。安藤国彦は家で焦りながら歩き回っても何の解決にもならなかった。
もし全株主が揃って安藤凪の権力掌握に反対するなら……
安藤国彦の目に鋭い光が走った。
株主たちはまず2秒ほど沈黙し、その後、年配の株主の一人がため息をついて口を開いた。
「羽音さんの言いたいことはわかります。私たちも赤ん坊に権力を握らせたくはありません。しかし、私たちにはそれを阻止する方法がないのです。結局、安藤凪は35パーセントの株式を持っているのですから。」