第43章 世論の逆転、愛人が正妻になった!

カメラマンは自分の人生で犯した悪事を全て思い出してみたが、どこで福井社長の怒りを買ったのか分からなかった。

福井斗真は長い間黙っていた。カメラマンが青ざめるまで待ってから、ようやく口を開いた。「財務部に行って、年末ボーナスは没収だ」

「え?」カメラマンは反応できなかった。

「今後は福井奥様に近づくな」

福井斗真はそう言い捨てて、その場を去った。

カメラマンは頭より先に体が反応し、すぐに逃げ出した。階下にいた全員が呆然と福井斗真を見つめていた。

恐ろしい!

福井社長は噂以上に恐ろしかった!

約40分後、安藤凪はメイクを落として出てきた。彼女は逃げようとしているカメラマンに笑顔で挨拶した。「今日はありがとうございました!」

カメラマンは幽霊でも見たかのように、言葉も発せず、手を振るだけですぐに逃げ出した。