第124章 事件発生

安藤凪が中に入ろうとした瞬間、彼女の携帯電話が突然鳴り始めた。見てみると、なんと鈴木湊からの電話だった。スペインで彼女が鈴木湊のプロポーズを断ってから、彼は自分から連絡してくることはなかった。そのため、安藤凪は彼をとっくにブロックしたような錯覚を覚えていた。

彼女は鈴木湊の無駄話を聞く暇がなく、考えもせずに電話を切った。しかし、切るとすぐにまた電話がかかってきた。これが何度か繰り返され、彼女はついに我慢できずに電話に出た。安藤凪は鈴木湊が話し始める前に冷たい声で言った。

「あなたとは話すことなんて何もないわ。これからも電話してこないで。あなたをブロックしていなかったのは私のミスだけど、今後は気をつけるわ」

彼女はそう言って、電話を切ろうとした。

しかし、その時、電話の向こうから鈴木湊の不気味な声が聞こえてきた。