安藤凪は無意識に自分のお腹に手を当てた。かつては丸く膨らんでいたお腹は、今ではまだ完全に回復していない微かな膨らみだけが残っていた。お腹の下部はガーゼで包まれており、これが赤ちゃんを取り出した切開部分だろう。
六斤六両(約3.3kg)...男の子なのか。
「赤ちゃんはどう?」
「元気よ、すべて正常だし、医者も言ってたわ、彼はとても強いって。安心して」
高橋雅子の言葉に安藤凪は再び安心した。
そのとき、病室のドアが突然開き、安藤凪が顔を向けると、高橋鐘一が入ってきた。彼の後ろには病院着を着た佐藤暖香もいた。
「高橋さん、佐藤さん」
佐藤暖香は安藤凪が目覚めたと知るとすぐに高橋鐘一と一緒にやってきた。彼女の顔色がまだ悪くないのを見て、目尻が赤くなりながらベッドの側に歩み寄り、感慨深げに言った。「目覚めてよかった。安藤さん、あなたの幸せな日々はこれからよ。今回の危機を乗り越えたら、これからの人生はずっと平穏無事でしょう」