第二百五十五章 1無所有

安藤羽音は話題を五千万の方向へ持っていった。

安藤玄はそれを聞いて、首を振った。「五千万とは関係ない。先日、五千万を返金した時、福井斗真から電話があったんだ。彼は言った、この五千万は私が受け取るかどうかに関わらず、今後は安藤凪とも福井グループとも関係なく、彼らは私の事に一切干渉しないと。それはちょうど私の望み通りだ」

安藤羽音は安藤玄の言葉を聞いて、呆然とした。これは...どういう意味だろう。手に入るはずだった五千万が飛んでしまった。しかも、安藤玄が福井グループや安藤凪と関係なくなるなら、自分が心に描いていた株式や福井グループはどうなるのか?

最も重要なのは、彼女がずっと期待していて、すでに手中に収めたと思っていた五千万のことだ。この期間、安藤羽音は狂ったようにショッピングカートに商品を入れていた。欲しいものがたくさんあったのだ。万事整い、あとは東風を待つばかりだったのに、安藤玄は自分に、彼と安藤凪はもう関係ないと言ったのだ。