第330章 満足

リビングの人々は、すでに全員揃っていた。小林おばさんは饅頭を抱き出していた。本来なら今頃は眠っているはずの饅頭だが、今日は多くの見知らぬ人を見たからか、とても元気だった。彼は小林おばさんの肩に寄りかかり、顔を上げ、黒くて輝く大きな目で辺りを見回していた。高橋雅子は小林おばさんの隣に座って饅頭をあやしており、テーブルの上には彼女が今日選んだ小さな金の鎖と小さな金の腕輪が置かれていた。

安藤玄は向かい側に座り、眉をひそめてこの光景を見ていた。

二人が降りてくると、小林おばさんは饅頭を抱いて立ち上がった。さっきまで目を開けて辺りを見回していた饅頭は、安藤凪の方向を見て、彼女に向かって笑顔を見せた。天使のような笑顔に安藤凪の心はほとんど溶けそうになり、彼女は近づいて手を伸ばし、饅頭を抱きかかえた。