第328章 証明

二人が膠着状態になりそうなのを見て、安藤凪はすぐに手を伸ばし、二人の間に立ちはだかった。彼女は軽く咳払いをして、恥ずかしそうに高橋雅子を見た。

「雅子、ごめんね、さっき道中で言うのを忘れてたんだけど、この間いろいろあって、安藤玄は確かに私と同じ両親から生まれた双子の弟なの。彼が生まれたばかりの時、母が他の人に育てさせていて、ずっと明かさなかったの。私自身も最近知ったばかりなんだ」

高橋雅子はそれを聞くと、疑わしげに安藤玄を上から下まで見回した。「凪ちゃん、騙されてるんじゃないの？伯母さんは亡くなる前に弟がいるなんて一言も言わなかったじゃない。この人、もしかして安藤羽音の実の弟で、あなたの財産を狙って実の弟のふりをしてるんじゃないの？」

彼女は自分の疑いを少しも隠そうとしなかった。