第342章 祝賀

安藤凪の表情は少し和らぎ、自分の仮説を提示した。福井斗真も当然、すべての希望を安藤玄に託していたわけではなかった。

安藤玄は太陽グループと契約を結んでいるのだ。もし福井グループのせいで太陽グループの評判が傷つけられれば、両社の協力関係は無効になるだけでなく、福井グループは太陽グループに多額の違約金を支払わなければならない。

福井斗真の辞書には、損をする商売という言葉は存在しなかった。

「安心して、俺がいるから」

彼のたった六文字の言葉が、安藤凪に大きな安心感を与えた。安藤凪は自ら福井斗真の膝の上に座り、彼の胸に寄りかかった。

「盛世グループってそんなに手ごわいの?私はこの件は北村グループが主導しているのではなく、盛世グループの人が策を練っているように思えるわ。福井グループと盛世グループはライバル関係よね。あなたは盛世グループの社長に会ったことある?」