第346章 入場

安藤玄は歯ぎしりをして、顔を上げて真剣に福井斗真を見つめ、一言一言はっきりと言った。

「私は必ず北村グループの件をきれいに処理します。福井グループの名誉を傷つけることはありません。福井社長、井上社長の誕生日パーティーの招待状さえ...あなたが井上社長の誕生日パーティーの招待状をくれるなら、この件をうまく処理します」

「井上社長の誕生日パーティーの招待状なら持っているし、あげることもできる。今回はお前の仕事のミスだ。井上社長の誕生日パーティーは、私がお前の穴埋めをしてやるということだ。だから、ただであげるわけにはいかない」

福井斗真はそう言いながら、引き出しから金色の縁取りがある赤い招待状を取り出し、片手で招待状を押さえながら安藤玄を見た。

安藤玄は眉をひそめ、交渉人の姿勢で福井斗真を見つめた。