第392章 女の子

「痛くないわ」安藤凪は福井斗真の心配そうな瞳を見て、彼女は唇を引き攣らせ、福井斗真に向かって軽く首を振って言った。そして目を伏せて佐藤暖香が痛みで顔色が青ざめている様子を見て、心が苦しくてたまらなかった。

「高橋鐘一は?彼に電話した?」

今は彼らよりも、高橋鐘一がここにいた方が役に立つ。

福井斗真は頷いた。「すでに高橋鐘一に電話をしたよ。彼はすぐに病院に直行するから、安心して。上がってくる前に管理会社の人にも連絡して、救急車に協力するよう伝えておいた」

安藤凪はそれを聞いて、やっと安心した。

幸い2分後、救急隊員が時間通りに到着し、まず佐藤暖香のその場での検査を行い、次に担架で彼女を運び出した。安藤凪、福井斗真、高橋雅子の3人が後に続き、家政婦も付いてこようとしたが、安藤凪に止められた。