彼は真っ赤な顔で地面に伏せ、身動きひとつできなかった。
警察はすぐに到着し、安藤凪と福井斗真は一緒に供述書を作成しに行った。
安藤凪は後になって知ったのだが、このシェフは本当の料理人ではなく、何もしない怠け者のチンピラだった。彼の外見は非常に人を欺くもので、多くの人が最初の印象を良く持ってしまう。このチンピラは何家族もだまし、最終的にはすべて追い出されていた。
偶然にも安藤凪がシェフを募集していることを知り、彼は運試しにやってきた。誰が思っただろうか、実際に採用されてしまうとは。しかし、一週間も経たないうちに正体がばれてしまった。
その日の夜、ネットサーフィンをしていた人々は、横浜市の公式アカウントが発表した声明を目にした。その中で特に二人の熱心な市民、安藤氏と福井氏に感謝の意が表されていた。