第518章 福井佳子が表に出る

鈴木湊は今の身分では、絶対に招待されるはずがなく、どうやって入ったのかも分からない。福井斗真は片手で安藤凪の手の甲を軽く握り、鈴木湊のことを思い出すと、目に殺意が閃いた。

「鈴木湊のことは、私が処理しておく。鈴木湊以外に、今日学校で何か他に起きたことはあるか?」福井斗真は鈴木湊の話題でこれ以上気分を害したくなかったので、頭を少し傾げ、信号待ちの間に尋ねた。

福井斗真は安藤凪にリラックスしてほしいと思っていたが、彼が言い終わるや否や、安藤凪が少し姿勢を正し、表情が真剣になるのを見た。「実は一つあったわ。鈴木雪乃のこと覚えてる?」

鈴木雪乃?福井斗真は本当に思い出せなかった。

安藤凪は彼の困惑した様子を見て、彼が覚えていないことを悟り、ヒントを出した。「温泉湯で会った、あなたに抱きついて、一目惚れしたと言っていた女性よ」