第530章 不運

葉青は誠実な表情で言い、彼女の真摯さを少しも疑わせなかった。安藤凪は思わず口元に笑みを浮かべ、冗談めかして言った。

「そんなこと言われたら、本気にしちゃうわよ。広告料払わなくても、会社にとっては大きな節約になるわね」

「もちろん、会社がなければ今の私もないですから」

葉青は考えもせずに答えた。安藤凪は首を少し傾げて、傍らにいる葉青のマネージャーを見た。マネージャーは葉青が自分で決断することを黙認していた。彼女の葉青に対する印象は、さらに良くなった。誠実で努力家の人は、最終的に悪い結果にはならないものだ。

「うーん...あなたがそこまで言うなら、ただ働きさせるわけにはいかないわ。私は広瀬守銭奴じゃないし、それに、あなたの広告料は最終的に会社に2割入るんだから」安藤凪はにこやかに言い、葉青を笑わせた。