男は水滴を纏い、全身から漂う淡い杉の香りが、この瞬間特に魅惑的だった。彼は今、腰を半分曲げ、安藤凪に非常に近づいていた。突然間近に迫った端正な顔に、凪は戸惑い、顔を赤らめ、頭の中が真っ白になった。
彼女の視線は、思わず福井斗真の顔からゆっくりと下へと移動し、ブロンズ色の肌が男性特有の魅力を放っていた。
凪はある部分に目が行った時、電気に触れたかのように、すぐに頭を下げた。そのとき福井斗真は片手で彼女の顎を掴み、軽く上に持ち上げ、彼女に自分と目を合わせるよう強いた。福井斗真の黒い瞳には熱い欲望が隠されており、唇の端には薄い笑みが浮かんでいた。
「凪ちゃん、見たいなら見ていいよ。私たちは合法的な関係だ。私の体のすべての部分は君のものだから、恥ずかしがる必要はない」