第631章 見張る

安藤凪は手を伸ばして受け取ろうとしたが、福井斗真は再び避けた。彼女は顔を上げて福井斗真を見ると、福井斗真もちょうどその時、彼女を見つめていた。

二人が見つめ合う中、安藤凪は福井斗真が妥協しないことを理解し、恥ずかしさを我慢して、福井斗真にスプーン一杯ずつ白きくらげのお粥を食べさせてもらうしかなかった。食べ終わると、安藤凪は布団に潜り込み、頭まで布団をかぶった。

福井斗真は手を伸ばして彼女の布団を引き下ろし、「そんなに隠れて、息ができなくならないか心配だよ。凪ちゃん、夕方、夕子から聞いたんだけど、学校で悪い人に会ったって?」

安藤凪はそのことを思い出し、急に体を起こした。「そう!あなたにそのことを話そうと思っていたの。」

彼女の表情は一瞬で真剣なものに変わった。