第87章 写真の女性は……

「約束は守ってほしいわ」

三井愛は歯を食いしばって言い終えると、秋田結をもう一度にらみつけた。

その二人はソファの前に連れてこられた。

二人とも縛られていて攻撃力がなかったため、二人のボディガードは彼らを地面に膝をつかせた後、彼らを掴むことなく、一歩後ろに下がった。

上野卓夫が一歩前に出て、鋭い目で二人を見渡し、年齢がやや上の男に視線を留めた。

「何か証拠があるのか?」

おそらく彼の身にまとう閻魔のような殺気が強すぎたため、地面に膝をついた男は彼と目を合わせる勇気もなかった。

頭を下げたまま。

「彼女が去るとき、私たちは背中の写真を2枚撮りました」

「どこだ?」

「卓夫、ここだよ」

三井忠誠は秋田結を一瞥し、その男の携帯電話を取り出した。

ロックを解除すると、写真は夕方に撮られたものだった。