第121章 録音の漏洩

上見彪は橋本智美子が嬉しそうにしている様子を見て、何気なく尋ねた。「何のドラマ?」

「あなたって私のことを全然気にかけてくれないのね。」

橋本智美子はわざと不機嫌そうに小さな唇を尖らせた。

上見彪は彼女を抱き寄せ、頬にキスをした。「もちろん気にかけてるよ。」

彼女はすぐに笑顔になった。「『一目萬年』のドラマよ。私の役は出番の少ない脇役だけど、このドラマの主演は男女ともに映画賞を受賞した俳優で、豪華キャストなの。」

「映画賞?」

上見彪は意味深に笑った。

橋本智美子は目を輝かせて、「あなたも知ってるの?彼女は上野グループの社長、上野卓夫が一手に育て上げた人なのよ。二人は幼なじみで、上野卓夫は彼女に対してとても一途だって。」

「俺だって君を映画スターにしてあげられるよ。」