だから、秋田結のあの卑しい女は、ベッドでの色気で上野卓夫を惑わせたに違いない。
上野卓夫は女性経験がなかった。
三井愛は上野卓夫が秋田結と親密な、情熱的な、子供には見せられないようなことをしていると想像するだけで。
歯ぎしりするほど憎らしかった。
秋田結を引き裂いてしまいたいほどだった。
「そうよ、あなたが今まで寝ていたから知らないのも当然ね。上野拓哉というファンが、明け方に秋田結に100万円を投げ銭して、今朝さらに400万円を投げ銭したの。それに、『一目萬年』の音声ドラマの反響があまりにも良すぎるわ。」
「どれくらい良いの?」
三井愛は心の中の憎しみを抑えた。
秋田結のあの卑しい女は、まるで叩いても死なないゴキブリのようだった。
どんなに抑え込もうとしても、彼女は野蛮に成長していく。