第127章 ネックレスは映画に合わない

個室の中。

安藤亮太郎が上野卓夫に酒を勧めた後、雲井洋治と湯川大助も続けて上野卓夫に酒を勧めた。

三井愛が嫉妬で狂いそうな表情をしているのが見て取れた。

雲井洋治はわざと尋ねた。「上野さんと結ちゃんはいつ結婚式を挙げるんですか?」

上野卓夫は口元に美しい弧を描き、「結婚式は準備中です。時期が来たらみなさんにお知らせします」

「そうですか、それなら私たちはご祝儀の準備をして、お呼ばれを待っていますよ」

安藤亮太郎は大笑いした。

伊藤明史は三井家の兄妹を見て、ゆっくりと立ち上がった。

穏やかに言った。「ちょっとトイレに行ってきます」

「明彦、一緒に行くよ」

三井忠誠は今、上野卓夫を見たくなかった。

外に出て息抜きをするつもりだった。

しかし、彼の言葉が終わるか終わらないかのうちに、三井愛が小声で制止した。「お兄ちゃん、男性がトイレに行くのにグループで行く必要ないでしょ。私たち女子じゃないんだから」