秋田結はあっさりと「もしもし」と声を出した。
秋田由貴子の声が携帯から聞こえてきて、興奮と切迫感を込めて尋ねた。
「結ちゃん、いつネックレスを持ってきてくれるの?」
「朝早くから何を急いでるの?届いたらすぐに持っていくわ」
「まだ届いてないの?どうしてこんなに遅いの?」
「昨晩あなたが選んだ画像だから、相手だって寝ないで届けるわけにはいかないでしょ。待っていて、お昼前には持っていくから」
「へへ、私はあなたの好きな料理を買いに行くわ。お昼に上野さんと一緒に食事に来てね」
上野卓夫は傍に立って、秋田結と秋田由貴子の電話を聞いていた。
彼の瞳の奥に深い思いが過ぎった。
——
朝食の時、上野卓夫は秋田結に小遣いをねだるのを忘れなかった。
「結ちゃん、今日から小遣いをもう少し増やしてくれない?」