第136章 100万以上かけたんだから、なくさないでね

「盟子、あの時は別れたことで悲しみのあまり理性を失ってしまったんだ。数日前まで僕たちは仲良くしていたのに、なぜ突然別れを告げて、僕をブロックしたのか、そんなにもきっぱりと。理解できなかったんだ」

彼は被害者のように振る舞っていた。

悲しげで途方に暮れた表情で草場盟子を見つめていた。

草場盟子は唇をきつく結び、感情を一切込めない冷たい口調で言った。「私たちは合わなかったからよ。今は別れて本当に良かったと思ってる。でなければ、いつか貴方に売られても、貴方のために金を数えることになっていたかもしれないわ」

「本当に他の男を好きになったわけじゃないのか?」

林田明史は雲井洋治を一瞥した。

彼はまだ、草場盟子が雲井洋治と関係を持ったのではないかと疑っていた。

雲井洋治が葉都に来る前まで、草場盟子は彼と仲良くしていた。