葉都、青雲音の外。
携帯の着信音が鳴った時、秋田結は車に乗り込んだところだった。彼女は白い指で通話ボタンを押し、軽快な声で「もしもし」と応えた。
耳元に、秋田鉄平の明るく楽しげな声が届いた。「結ちゃん、何してるの?」
「今日はいくつかのチャネルと契約更新があるの。今ちょうど車に乗って出発したところよ。お兄ちゃんは?」
「僕は君に電話してるよ」
秋田鉄平は笑った。
秋田結も笑いながら、「しばらくして暇になったら、C国に会いに行ってもいい?」
「それは、上野卓夫に聞く必要があるかもね。彼とは最近どう?うまくやってる?」
「とても良いわ」
「あの三井愛はまだ彼に執着してる?彼と連絡を取ってる?」
秋田結は軽く笑いながら、平然と嘘をついた。「ないわ、結婚後は連絡を取っていないわ。お兄ちゃん、卓夫は私にとても優しいし、おばあちゃんも私に優しいわ」