メールを読み終えると、秋田結は思考に沈んだ。
彼女は確かに白川家のあの変態兄妹がホテルの部屋に小型カメラを仕掛けていたことを知らなかった。
上野卓夫が知っていたかどうかも、彼女にはわからなかった。
以前、彼から聞いたことはなかった。
車が病院に着くと、相田東一の声が秋田結の思考を現実に引き戻した。「若奥様、病院に着きました。」
彼女はまばたきをして、「ああ」と一言。
ドアを開けて車から降りた。
病院の1階でエレベーターを待っている間、秋田結はWeChatのブラックリストを開いた。
伊藤明史をブラックリストから外し、メッセージを編集しようとしたが、何かを思い出して内容を削除した。
彼を再びブラックリストに入れた。
別のアイコンを開き、メッセージを編集して送信した。
[月島さん、今時間ありますか?お願いしたいことがあるのですが。]