第239章 結婚式の準備

あの年、西村沙織の女の子を取り替えた人物は、まさに上見彪の母親だった。

上見彪はずっと言えなかった。一方では、母親がしたことで自分が罰金を払うことになるのが怖かった。

もう一方では、秋田由貴子の弱みを握っていることは、お金の成る木を握っているようなもので、一躍金持ちになれるからだった。

上見彪は天満健司によってオフィスから引きずり出された。

オフィス内で、上野卓夫は眉をひそめて上見彪の言葉を考えていた。

三井愛が秋田由貴子の娘なら、彼女は三井家の娘ではない。

三井家の双子の娘は秋田由貴子によって取り替えられたが、DNAの鑑定によると、秋田結も三井康隆の娘ではなかった。

DNA検査に使われた髪の毛は三井康隆のものだと、天満健司が再確認した。

それでは、病院側のミスなのか?それとも秋田由貴子が三井家の双子を両方とも連れ去ったのか?