帝都。
あの日、渡辺由梨が助けを求めてきた後、秋田結は彼女からの連絡を受けていなかった。
新居に引っ越して二日、周辺に慣れただけでなく、レコーディングスタジオも見つけて、数日間の使用について話がついた。
夜、お風呂に入った後、彼女はベッドにうつ伏せになり、草場盟子と雲井洋治にメッセージを送った。【レコーディングスタジオは見つけたから、この二、三日で来られるよ。】
草場盟子と雲井洋治はすぐに反応した。
盟子、【結ちゃん、すごく早いね、愛してる。】
雲井洋治、【同上。】
盟子、【街で笑い死にする顔文字。】
雲井洋治、【結ちゃん、どうやって行けばいい?堂々と行っていいの?】
秋田結、【明日、まず旅行団を見つけて今の観光事情を調べて、それから帝都に来て。】
自分がとても重要で、誰かが常に自分を探しているとは思っていないが、秋田結はただ過去の人々との関わりを持ちたくなかった。