第268章 結ちゃんは私にとって、唯一の存在

三井美咲の顔に明るい笑顔が浮かび、その誠実な様子に、彼女の言葉がすべて本当のことのように思えた。

本当に彼らはお似合いだと感じた。

まるで天が結び合わせた一対のようだ。

真偽はともかく、上野卓夫は彼女のこの言葉にとても満足していた。

しかし伊藤明史は違った。

彼はそれを聞きながら、一言一言が針のように心臓を刺すようだった。

顔の笑みを保てなくなり、目を伏せて三井美咲に言った。「美咲ちゃん、でたらめを言わないで。結ちゃんは3年前に上野さんと離婚したんだ。彼女も私たちと同じように、上野お婆さんを見舞いに来ただけだよ」

「でたらめなんて言ってないわ、本当よ。私は姉さんと上野さんがとても似合うと思うの」

渡辺由梨は伊藤明史の秋田結への思いを知らないふりをした。

とても真剣に自分を弁解した。